獣医師・動物看護師301名に聞いた
動物病院でのメンタルヘルス不調の実態とは…?

01.アンケート概要
先日、獣医師であり、キャリアコンサルタントの岡野先生によるマネジメントのセミナーを実施しました。そこで行ったアンケート結果に関して、ご報告いたします。
今回は従業員側201名・院長先生側100名に以下のような質問にご回答していただきました。多くのご回答誠にありがとうございます。
では、メンタルヘルスマネジメントの実態を一緒にご確認しましょう!
02.従業員の方へのご質問 / 03.院長先生へのご質問
まずは従業員・院長先生の皆様にメンタルヘルスに関してお伺いしました。(従業員の方からは201名・院長先生からは100名の方からご回答をいただきました。数多くのご回答ありがとうございます。)

<従業員の方のご回答>
実施出来ているのは14%程度、出来ていないのは86%となっておりました。
<院長先生のご回答>
従業員側は「全く実施できていない」と回答していた方が4割を超えるくらいいらっしゃいましたが、院長先生側は「全く実施できていない」は2割と差が開いておりました。
これはメンタルヘルスマネジメントを実施しているものの従業員側は実施できていないと感じている方が多いのではないかと考えられます。
臨床で忙しい中、メンタルヘルスマネジメントを実施するのはなかなか大変なのでしょうか?
岡野先生にメンタルヘルスマネジメントの実施に関して、お伺いしてみました!
- いまメンタルヘルスマネジメントを実施できていない病院様が、実際にメンタルヘルスマネジメントを導入するにはどのようなことを実施するのがいいのでしょうか?
- メンタルへルスマネジメントの取り組みとしては、厚生労働省が推奨している4つのケア(資料:下に添付しております。)があります。基本を学ぶことは大事だと思っているので、メンタルヘルスマネジメントを取り入れたいのであれば、まずは資料を一読いただき、その中で今の組織でできることを考えていただくことです。
- セルフケアから取り組むのであれば、ストレスやメンタルヘルスに対する正しい理解を管理職研修として取り入れる、また全社員を対象に行うことは、組織の形を変えなくてもできることです。そのために、数時間の確保をしていたくことが最も大切なことです。メンタルヘルスマネジメントに、どれだけの時間を割こうとするのが最初のハードルだと思います。
岡野先生推奨の厚生労働省の資料はこちらになります。
メンタルヘルスケアは 、「セルフケア」、「ラインによるケア」、「事業場内産業保健スタッフ等によるケ ア」及び「事業場外資源によるケア」の「4つのケア」が継続的かつ計画的に行われることが重要です。
このようなメンタルヘルスケアを導入するための具体的な方法が書いてあり、非常に参考になりました。岡野先生ありがとうございます!

<従業員の方のご回答>
メンタルヘルスマネジメントを実施出来ていないと感じている方が86%と多い中、「職場での雰囲気作りが出来ている」と回答している方は半数いらっしゃいました。2番目には「メンタル不調を疑う人の業務量を減らす」が挙げられていました。
<院長先生のご回答>
実際にどのようなことに取り組んでいるのかお伺いしたところ、「相談しやすい雰囲気作りをしている」と答えた方が、7割近くいらっしゃいました。
- 岡野先生のおすすめする相談しやすい雰囲気作りがございましたら、教えていただきたいです!
- 最近では、組織で求められる関係は報連相ではなく、「雑草=雑談と相談」と言われれいます。そういう意味では、雑談ができる機会を増やすということが大切なのではと思います。
- 実際、「雑談が苦手なんです」という悩みを持つ若手社員も多くいるので、あえて雑談の機会を作るということです。定例会議でティータイムを作る、社内飲み会の機会を作るなど仕事以外の会話を持つ機会をつくるというのは、コミュニケーションの1つだと考えます。


<従業員の方のご回答>
次にメンタルヘルス不調による休職・退職、メンタルヘルス不調の可能性のある方がいるかどうかの質問を行いました。いずれも8割近くの方が、メンタルヘルス不調による休職・退職を経験し、現在もいるのではないかと考えているそうです。
<院長先生のご回答>
職場でメンタルヘルス不調を経験している方が従業員側と比較して少なくなっておりました。
- メンタルヘルス不調がありそうだなと気づいた時にはどのような対応をするのが適切なのでしょうか?
- 個人としては、自分が疲れているということに気付いてもらうことが大切です。心の不調というのは分かりにくいものですが、自分のことは自分でケアするという意識があるといいのではないかと思います。
- 喉が痛い、鼻水が出るなど風邪の初期症状を感じたら、体を休めますよね?心も同じです。疲れていると感じたら、心を休めることを日々行うことです。これは、組織に依存することではなく、自身で行うことです。自身がより良いキャリを築きたいと思うなら、まず自分自身のケアをすることです。
組織では、やはり個人に目を配るということでしょうか?「今までと違うな?」と感じる意識が従業員に向けられているかどうか、管理職として気にかけているかどうかという視点が大切です。「いつもと違うな」と感じたら、まずは声をかけてあげましょう。
- 岡野先生、アンケート全体の総括でコメントいただけますと幸いです!
- 組織として、メンタルヘルスマネジメントの様々な取り組みをされていると感じました。一方、その思いが、働く個人に伝わっていないというのも組織としての課題であることがアンケート結果からわかるのではないかと思います。
- 組織がより良い取り組みを行うために、伝わらなければ何度でも従業員に伝えていく、その取り組みが組織をより良くしていくということに尽きるのではないかと思います。
組織は、常に有機的であり、栄養を与え続ける必要があります。
同じ手法が有効であることはありえません。
その手法は、組織にとって様々であるので、その手法を組織で考え実行していくことがSucsessにつながるのではないでしょうか?
2001年に日本大学農獣医学部獣医学科卒業後、小動物臨床に従事。
岡野 顕子 先生
Veterinary Career Lab SMILE 代表 | 獣医師 | キャリアコンサルタント | 国際EAPコンサルタント
18年間の動物病院在籍中に、副院長、院長、事務局長として管理職を経験。
現在は、動物の眼科診療を行う臨床獣医師として現場に立ちながら、
キャリアコンサルタント、国際EAPコンサルタントとして
経営者と従業員の双方に働きかける動物病院専門のトータルアドバイザーとして活躍。
日本大学生物資源科学部獣医学科在学中、株式会社リクルートの次世代事業開発室にてペット系相談サービスのプロダクト開発にてインターン経験。外西 弘昌
VETS CAREER運営事務局
「なりたい自分になるために」をテーマにした学生向けの就活イベント”Good Jov”を創設、獣医学生約600名に届ける。
卒業後、小動物臨床を経験し、その体験をもとにVETS TECHの事業に必要性を痛感し、2024年2月より入社。


